とにかく虚しいのです
昼前にジンバルが到着して、半日あまりセッティングだけのため格闘していた。
ジンバルは撮影者が動いてもカメラの向きを一定に保ち、揺れや傾きを軽減してスムーズな映像が撮影できる。
3軸電動ブラシレス・ジンバルとも言い、ビデオで発生しがちな手ブレを、画期的なまでに補正する。
歩きながらの撮影でも、吸い込まれるように滑らかな映像が期待できるのだ。
いいのはわかっているんだけど、事前に3軸(パン・チルト・ロール)のバランスを取る必要があり、動画のチュートリアル見ているだけでげんなりさせられる。
パンとは水平(左右)方向、チルトは垂直(上下)方向、ロールはカメラが回転する方向の動きを、それぞれ指す。
元来アンバランスなカメラの固体を、宙吊り状態でバランスするため、全て手作業で調整していくのだ。
覚悟はしていたが、えらく骨の折れるワークになった。
空間認識が高い人なら、そこまで苦労しないのかもしれない。オールマイティにぶきっちょな僕は、複雑な形状の組み立てを前に、一つ一つの工程でつまづいてしまう。
1回休んで昼飯とし、1回休んで妻が作ってくれたプリンでおやつタイムとし、挫けそうになりながら最初から組み立て直したり、それでも夕方前には、ようやく完成を見た。
スマホアプリからオートで機械的なバランスを取ると、いよいよスイッチオン。
触ればぐらつく宙吊りカメラが、強度なモーターの働きからびくともしなくなる。
こいつぁいいぞ。両手で握り、いざ撮影。
すると何度か電子音が鳴り、突然カックーンと力が抜けて、スイッチオフの宙吊り状態へと戻ってしまう。ジンバルが、自分の仕事を放棄してしまうのだ。
なんかこっちに手落ちがあるんじゃないか。
数10回、手順書通りのセットを繰り返し、しかし答えはいつだって一緒。カックーン、なのだ。
ひとまずメーカーにメールした。不良品なんだろうか。もしそうなら、俺の半日返してほしい。
明日は明日とて、我が家に新しいノートパソコンがやってくる。業務用に購入したが、いろいろ動画も試せそう。
こっちも初期設定、結構かかるんだろうな。
語呂合わせに選んだ裕美ちゃんの歌を聴いたら元気になった。たぶん寝る時、「雨だれ」から聴き直すと思う。