愚痴を撒きチラシたくもなく

午前1時に就寝し、6時にパッチリ目が開いた。
5時間、一度も目を覚まさずいられたのは、最近まれなことだ。

起きがけに見た夢が珍しい。過去の仕事の関連は、これまでほとんど出てこなかったのに。

今回は勤めていた頃らしく、箱根(らしき)場所にある建物の高所から、眼下に広がる岩壁と海の絶景を臨んでいる。
ライオンが放し飼いになっている狭い砂利道をなんとか上り切り、会社のトップと話の場を持った。
すでに退社している認識が僕の側にあり、かつての部下とのやり取りも至って事務的で、なんの感情も呼び起こされない。
懐かしさも、不快もないのだ。
どこかフィヨルドを思わせる、絵画的な景観も同様だ。すべては平面的で、無味無臭・無感動な世界に、息だけをしている感覚だけがあった。

なのに、目覚めるとやけに頭はスッキリしている。
いつもだと寝たり起きたりを繰り返し、午前中はどこか朦朧もうろうとしているのに、最初から頭が回転している感じだ。
なんなんだろう、これ。

さあ、今日こそはチラシを郵便局に持ち込むもんね。
でもここで一つ、あいさつ文とか入れたらどうだろうとか、余計なことを思いつく。

確かに商品案内はこしらえたものの、初めて送付するにしては、自己紹介の部分が弱すぎないだろうか。
で、さっそくこちらを打ち始め、透明封筒に同封する。

よし、あとは宛て名のラベルを貼って完成だ。と、ここでやっと思い至るのが、こんなプラスチックの上に切手なんて貼れるんだろうかということ。
ネットで検索すると、そもそも3つ折りのA4をこのまま入れて送ろうとすれば、定形外の扱いになってしまうという事だった。
それは困る。

もちろん切手は貼れないから、郵便局に持ち込んでしかるべき対処をしなければならない。
なにしろ1枚84円で送るためには、手直ししなければならない高いハードルが幾つもあるようだ。

郵便局のマニュアルを検索したが、日本語をよく使えない人が作ったらしく意味不明だ。
YouTubeでも、さすがにこの案件はヒットしなかった。そして外は、すでに夕暮れている。

もう、あきらめた。週明けに実物を持ち込み、局員に直接レクチャーしてもらおう。

それでも面白いことに、うまくいかなくてもイラついたり嫌になったりが、今の自分に全くないのだ。
人間がこなれてきたのだろうか、それともあきらめの境地か。はたまた今朝見た夢のごとく、物事全般に不感症になってしまったのだろうか。

明日は明日の、やるべきことがある。
それぞれ時間の制約を抱えており、うまく調整できるかわからない。
なに、淡々とやるだけだ。動けば結局、どうにかはなる。

そうだ。感情は動かずとも物事を動かすことだけは、決意していたんだっけ。
 

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