正しい時代

もうすぐゴールデンウィーク。
例年でも経済活動の鈍化するところ、県さえまたぐなの今年は、皆さん否応なく巣ごもりされる日が多くなるでしょう。

明後日にかけては、天候も不順とのこと。無駄な抵抗はせず、おうちで映画やドラマを観て過ごそうと思います。
なににしようかなぁ。いつも古いのに偏りがちなんで、最近のから選ぼうっと。

というわけで、ここ数年の作品に限定して再生してみるのですが、ものの数分で観続ける気力が失せます。
物語に入り込む以前に、制作サイドの作為の痕跡が目立ち、気が散ってしまうのです。
たまたま選んだのが、ハズレばかりだったんでしょう。
インド映画「きっと、うまくいく」なんて、3時間近いのにまるで飽きさせない、めちゃくちゃな傑作だったもん。

そうやって次々ネットサーフィン(?)していくうち、目に止まったのは「二人の銀座」。
なんやねん、結局、50年以上前の映画(1967年)やんけ。

ストーリーは至ってシンプル。
大学生バンド(その名もヤング&フレッシュ!)が偶然手にした楽譜をライブで披露し、プロデビューのチャンスをつかむというもの。
実は本当の作曲者は、濡れ衣を着せられた芸能界に嫌気がさし、雲隠れしています。
4人の学生は成り行きから事実を言い出せないまま、本格フェスティバルの当日を迎えるのです。

まだ10代だった和泉雅子が、めちゃかわいい。
ブルーコメッツやヴィレッジ・シンガーズの、グループサウンドの響きが懐かしい。
銀座が、かつてイメージ通りの「銀座」だった頃の、空気感も心地いいのです。

ところで私、こんな映画(失礼)ではらはらと落涙してしまったのです。
それは当時、普通の日本人が持っていた誠実さ・気高さに対してであります。

結局ヤング&フレッシュは、プロの道を断念してまでも、本当の作曲者の存在を晴のステージで公表します。
嘘はいけない、お天道様が見ている。
これこそ世界のいずこでも真似できない、日本民族の美徳でしょう。

いい意味でのおおらかさも、わずかな言動の間違いさえ叩かれる息苦しい現在に比して、健全さを感じます。
白黒でシンプルな1時間19分の短い作品が、眩しいほどに輝いているのです。

これ、決してノスタルジーじゃなくて、人が生きていくのにちょうど頃合いだった時代を手本に、回帰してもいいんじゃないかとさえ思うのです。

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